宅配便と宅急便ってなにが違うの?(宅配便の歴史)

その答えはあとに書くとして。。。

宅配便は1976年に始まりました。

取扱個数は平成18年度は約29億3千万個、平成19年度は約32億3千万個、平成20年度は約32億1千万個、平成21年度は約31億3千万個となっております。

平成19年をピークに少し減少していますね。
統計をとりはじめた1981年度が2億個弱だった頃から右肩上がりで取扱個数は上昇し、とうとう30億個を突破しました。
またその99%はトラック輸送が担っています。
シェアを見てみると、ヤマト運輸株式会社が40.6%、佐川急便株式会社が36.2%、郵便事業株式会社が8.5%、JPエクスプレス株式会社(ペリカン便)が6.2%、この4社でシェア9割を超えます。
ほとんどヤマト運輸株式会社と佐川急便株式会社の2強の時代が続いています。
あとはこのほかにも西濃運輸(カンガルー便)、福山通運(フクツー便)、トナミ運輸(パンサー便)、カトーレック(カトー宅配便)、岡山県貨物運送(ハート宅配便)、中越運送(中越宅配便)等々があります。

宅配便がすでに重要な社会的インフラとなり、日常生活に不可欠な存在になって久しいです。
一般個人様はそれほどご利用なさらないかもしれませんが、一番身近にあるのは通信販売ですね。
宅配便がなければネット通販はここまで普及しなかったでしょう。
産地直送便や地方の名産物でネット上で大評判になったものも宅配便があってこそです。
インターネット通販の普及と宅配便の拡大は両輪であり、あらたな消費形態を生み出した立役者です。

メール便はまだまだ伸び続けております。
平成18年度は約23億冊、平成19年度は約48億冊、平成20年度は約51億冊、とあっという間に宅配便を抜いてしまいました。

こんなにも成長を遂げている宅配便事業ですが、それ以前はどうしていたかというと、こうした個人が出す小型の貨物は”郵便局の小包”か”国鉄の手小荷物”が広く利用されていたようです。
企業貨物でトラックに1度の依頼でたくさん積んで運ぶのが主流でしたので、運送事業者も個人小口貨物はみんな嫌っていたのですね。
ですから、民間企業は手を出さず、官業で行っていたわけです。
民間企業がこのように個人小口貨物を全国的に行うとするととても大規模な設備投資が必要になり、実現するのも難しかったのです。
しかし、官業サービスは非常に品質が悪かったのです。
荷物は自分で駅や郵便局まで持っていかなければいけませんし、梱包が悪いと突き返されたりしたそうです。
そして、到着日も1週間かかるのかそれ以上なのか全くわからなかったようです。
しかも、輸送途中では荷物が乱暴に扱われることも多く、到着すると中のものが壊れていたり、ということも頻繁にあったようです。
こんなサービス、今の世の中では信じられませんよね。
とても通信販売が普及するような土壌とは言えません。
しかし、この品質の低さが民間が参入する隙間となったわけです。

そんな中、実質的に宅配便を始めたのはヤマト運輸でした。
当時は大和運輸という名称で、社長は小倉昌男さんでした。
ヤマト運輸は当時、関東地方を中心に事業展開している準大手企業という立場でしたが、東京と大阪を結ぶ路線事業の参入に出遅れたために経営危機にさらされたのです。
しかも、さまざまな分野に経営資本を投入していたためにトラック輸送以外の分野でも儲からなくなってしまったのです。
そのような背景の中で、個人小口貨物を専門に取扱うことに目を付けたのです。
個人小口貨物は単価は安いですが、そんな小さな荷物でもトラックにたくさん積めば企業からの1回の荷物よりも運賃は全然高くなります。
企業間では値引きは当たり前ですからね。
また、企業間取引では手形などもありましたから現金化するまでにも時間がかかっていました。
個人のお客様では集荷のときにほとんど現金を頂けます。
ですので資金繰りの面からも理想の形になります。
ニューヨークでUPSの車両をみたときにこのような宅配便サービスを思いついたらしいです。そして、1976年、「宅急便」のサービスを開始したわけです。
「宅急便」といのはヤマト運輸の宅配便サービスの名称で、一般用語は「宅配便」なのです。
ここで、やっと「宅配便」と「宅急便」の違いがわかりましたね。

でも、宅配便はヤマト運輸が先頭にたって成長してきましたから世の中の一般の方が区別つかないのも無理はないのです。
余談ですが宮崎アニメの「魔女の宅急便」というのは特別に許可をもらって「宅急便」という言葉が使えているようです。
ですので、アニメの中にもヤマト運輸のトラックが走っていますよね。機会があればよく見てみてみると面白いと思います。
そして、ネットワークやシステムを構築し、”翌日配達”というハードルをクリアしたのです。
しかも電話一本で集荷してくれ、料金体系も簡単明瞭、そしてテレビコマーシャルも打ち出し、いろいろな戦略があたったことで潜在的な社会的ニーズとマッチして急激な成長を遂げたということになります。

1976年は取扱個数170万個でしたが、3年目には1100万個とどんどん増えていきました。
それを見ていた他業者もその勢いに乗ろうとどんどん新規参入してきました。
宅配便のサービス名はクロネコやペリカン、カンガルーなどなど動物の名称がついていたので「動物園戦争」と呼ばれました。

これらのサービスが年間30億個を超える取扱量になるまでには本当に様々な変革が必要でした。
トラックターミナルを中継点として、大型トラックでの幹線輸送、仕分された貨物の各宅までの配達。
そして、高速自動仕分け機というベルトコンベアのおばけのような機械、自動集荷指令システムの構築、貨物追跡システム、それらすべての先進技術により今日の宅配便サービスが実現できているのです。
ヤマト運輸の取次店は約30万あります。
郵便局の数は全国で2万5000程度、郵便ポストでさえ、全国に17万7000本程度だそうです。(平成19年時点)
ヤマト運輸の取次店は郵便ポストよりも多いのです。

その後もさまざまな付加サービスを追加しています。
スキー宅配便、ゴルフ宅配便、ふるさと直送便、コレクトサービス、クール宅配便。
また、集荷・配達の従業員が母の日にはカーネーションを勧めたり、旬の食材を勧めたり営業活動も積極的にしています。
航空便も使って海を挟んだ遠方も翌日に到着してしまうというサービスも出てきました。
モノだけでなく、田舎の両親と都会の子供などの”気持ち”をつなぐ大切なインフラでもあります。
これからも技術の進歩、消費者ニーズにあわせて、さまざまなサービスが登場してくることでしょう。

ちなみに『国土交通省:平成21年度宅配便等取扱個数の調査及び集計方法』にはこうあります。
宅配便の定義は法令で明確に記載してあるわけではないのですが、
「宅配便とは、一般貨物自動車運送事業の特別積合せ貨物運送又はこれに準ずる貨物の運送及び利用運送事業の鉄道貨物運送、内航海運、貨物自動車運送、航空貨物運送のいずれか又はこれらを組み合わせて利用する運送であって、重量30kg以下の一口一個の貨物を特別な名称を付して運送した貨物」
また、メール便の定義も同様で
「るメール便とは、書籍、雑誌、商品目録等比較的軽量な荷物を荷送人から引き受け、それらを荷受人の郵便受箱等に投函することにより運送行為を終了する運送サービスであって、一口一冊の貨物を特別な名称を付して運送した貨物」
ということです。
原則、信書は送れないということになっておりますが、”なにが信書”かという問題は議論が重ねられているところであります。
ただ、カタログなどは信書ではないので、メール便はそのようなものでどんどん取扱個数を増やしています。

【参考文献】
国土交通省:平成21年度宅配便等取扱個数の調査及び集計方法
「宅配便の秘密」 齊藤実著 お茶の水書房


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